受講生インタビュー5

生命理工学院 生命理工学系 学士課程3年生 奥村レオナルド研 さん

2023年度の「人文社会系ワークショップ(現:探究ワークショップ)」及び「人文社会系メンタリング(現:探究メンタリング)」、「教養卒論」の授業を受講した、生命理工学院 生命理工学系 学士課程3年生(インタビュー当時)奥村レオナルド研さんに、受講後の感想などをお聞きしました。教養卒論を執筆したあとで振り返って、ワークショップやメンタリングの授業で身についた力や、そこでのテーマと現在の研究テーマのつながりについて語っていただきました。

学んだ 人文社会科学分野での研究アプローチ

 

-まずは、教養卒論のテーマについて教えてください。

奥村:前学期にあった人文社会系ワークショップの授業では、数式のようなものを用いてどのように情報の品質が変化するかということについて論じようとしていました。その後、後学期の人文社会系メンタリング及び教養卒論の授業では、メンターの山本貴光先生(リベラルアーツ研究教育院教授)と話し合った結果を踏まえて、数式を用いず、人文社会学的なアプローチで情報の品質変化について教養卒論を執筆することにしました。

-メンターの山本先生からの指導で印象に残っていることや、指導を受けて成長された点はありますか?

奥村:今まで自然科学の分野で学んできたので、人文社会科学分野でのアプローチのことをよく知りませんでした。今回の一連の授業を通して、人文社会科学における研究アプローチが分かったような気がします。例えば、既知と未知を分け、言葉を精密にするところから始めるといったことです。あとは沢山の文献を読む中で、本を素早く見つける能力が付いたと思っています。目次を見て、索引を見て、中をぱらぱら見たり、最初の方を少し読んだりして、どんな感じの本なのか分かるようになりました。

ウイルスと人間の「コミュニケーション」を探究する

-ここで学んだことは、専門での研究活動に活きてきそうですか?

奥村:直接活きてくるかは分かりませんが、「コミュニケーション」をテーマに考察できたことはよかったです。私は現在ウイルスとシアノバクテリアの光合成についての研究を行っています。その際、バクテリアとウイルスのコミュニケーションだけではなく、バクテリア同士のコミュニケーションについても考えます。

探究の過程で、人間のコミュニケーションについてもDNAと似たような性質があるという風に思いました。情報自体が移動するわけではなく、その都度コピーされて、同じような情報が生成され直すという点です。そのときに情報の品質が変化しているのではないかと考えました。このような観点は、専門の生命科学の研究でも活かせるような気がしています。

 

心のモヤモヤを言語化する楽しさ

今回インタビューに応じてくださった奥村さん(写真はご本人提供)

 

-最後にメンタリングの授業を受けて感じたことや、後輩に向けてのメッセージなどをお願いします。

奥村:まず、リベラルアーツ研究教育院の先生方にはこのような機会を設けてくださって、本当にありがたく思っています。山本先生とのメンタリングでは、成長につながることが多かったです。研究する中で、別の文献同士でつながりが見えたときや、つなげる方法が見つかったときに研究の楽しさを感じました。それをバックアップしてくださり感謝しています。

今回の授業を受けて、自分の中のモヤモヤを言語化することができたと思います。モヤモヤは多くの人が抱えているものではないかと思います。それを言語化できるという点で、今回の授業は楽しいものでした。そのようなモヤモヤを抱えた人に、今回の授業はお勧めです。