前編では学士課程2年生の時に受講した、2022年度の探究ワークショップの試行授業について語っていただいた環境・社会理工学院 融合理工学系の飯干成美さん。今回は後編として,3年生になって「人文社会系メンタリング(現:リベラルアーツ探究メンタリング)」を受講し、「教養卒論」の授業内で論文を執筆した感想などをお聞きしました。メンタリングを受けて成長した点や今後について語っていただきました。
- まず、人文社会系メンタリングではどのような活動をしていましたか?
飯干: 前半はどんなことを勉強したらよいのかなど、メンターの高尾隆先生(リベラルアーツ研究教育院教授)から教えていただくことが多かったです。後半は自分が書いたものを持って行き、先生に見ていただきながら、どのように修正すればよいのかアドバイスをいただく形が多かったです。
- もしメンタリングの授業を受けていなかった場合、ご自身の論文はどのようになっていたと思いますか?
飯干: 読者から見てもう少し分かりにくい内容になっていたかもしれません。先生と話しながら進めて、内容も目を通していただきつつ、客観的に見ていただきました。もし一人で執筆を進めていた場合、客観的な視点がなく、ただ書いただけの自分の意見の羅列になっていたかもしれません。
メンタリングの授業を通して、書き方や文章の構造を意識し、どのように書いたら読者に伝わるのかを考えられるようになったと思います。
- 専門の研究の中で活きていきそうなことはありますか?
飯干: 専門的な研究でも、教養卒論の経験が活きていくのかなと思います。今私は融合理工学系の進化ゲーム理論の研究室に所属しています。社会の事象について数理モデルを立てて、コンピュータでシミュレーションをしています。配属されて、何について興味があるのかを指導教員と話した際に、教養卒論の内容について話しました。そこでリーダーシップをテーマに執筆したことを伝えたところ、リーダーシップに関する研究を行おうということになりました。リーダーシップにも色々な型があるので、どのようなリーダーに注目しているとか探りながら、今後も教養卒論とも関係する内容になっていきそうです。
- ご自身の経験から今回の探究メンタリングの授業はどのような学生にお勧めしたいと思いますか?
飯干: 私の周りに、教養卒論を書いていたら字数が多くなりどのようにまとめたらよいのか分からなくなってしまったと言っていた学生がいました。
探究メンタリングの授業では、メンターの先生に教えてもらいながら執筆することができます。そのため、そのような教養卒論に一生懸命に取り組んでいる人ほど、この授業は向いているのではと思いました。
せっかく教養卒論を書くのであれば、何かに活かしたい、真面目に取り組みたいと思っている学生にお勧めしたいです。