2022年度の探究ワークショップの試行授業を受講した、生命理工学院学士課程1年生(インタビュー当時)の橋本龍徳さんに、受講後の感想、心境の変化などを聞きました。橋本さんはこのワークショップがきっかけで、自分が将来目指すところを意識しながら授業に取り組むようになったと話してくれました。また、理工系の分野に限らず自分の問いについて語り合える場としての、ワークショップの意義を語ってくれました。
写真は授業中の様子。以下同。
- このワークショップの前後で、履修科目の選び方に変化はありましたか?
橋本: そうですね、このワークショップを受けて、自分が将来目指すところに必要な授業ってなんだろうと考えるようになりました。今まで自分は、興味の赴くままに授業を取っていて、授業の選び方に関しては特に気にしていませんでした。しかし、授業の中で作成した「自分版カリキュラムマップ(1)」を通じて、将来のことを意識して授業を選ぶようになりました。このカリキュラムマップによって、自分が将来やりたいことは何か、そこに至るには、どのような知識や技術が必要で、それはどの授業で得ることができるのかを考えることができ、自分の将来と授業の関係を意識できたんだと思います。
ただ同時に、その思考の起点となる将来像に対して迷いも生まれました。それはワークショップを進めていく中で、様々な学問の存在を意識したからだと思います。色々なあり方に触れることで、それらに目移りしてしまって将来が定まらない感じとでも言いましょうか。ただ今思うと、それは自分の視野を広げるような良い迷いだったと振り返ります。
- このワークショップを通じて、ほかに感じたことはありますか?
橋本: そうですね。今後とも、理工系の分野に限らず、自分の問いについて考えたり語り合える場に参加したいなと思いました。このワークショップでは、TAの方々含め、いろんな経験や能力の方がおり、また自分と異なる分野に精通している人がいて、そのような人たちと語り合う経験が、自分にとってとても刺激になったからです。今後の学生生活の中でも、そのような場との関係を切らずに繋ぎ止めておきたいです。
(1)自身のこれまでの、及びこれからの学びを自分目線で「体系化」する教材のこと。体系化に際してそれらの学びは、既存の学問分類や単純な時間軸に沿って整理されるのではなく、自分にとっての意味づけのもとマップに整理される。(杉原亨、岡田佐織、友滝歩、奈良堂史ほか(2019)「学生の成⻑プロセスを可視化する発展的研究」 『関東学院大学高等教育研究・開発センター年報』No.4)